ロジクールのワイヤレストラックボールマウス「MX ERGO」を使い始めて3年が経ちました。
トラックボールマウスとは、マウス本体の上部にトラックボールという球体の部品が装着されており、これを指や手で転がすことによりカーソルを操作するマウスです。
従来のマウスとは操作感が異なるので初めて使う場合は少し慣れが必要ですが、トラックボールマウスには
- マウスパッドが不要
- 腕を動かさないので腕への負担が軽減される
- マウス本体を動かさないので従来のマウスほどスペースがいらない
等のメリットがあります。
今回はそんなトラックボールマウスの中でも上位機種であるMX ERGOを、私が以前使っていた人気トラックボールマウス「M570t」(同じくロジクール社製)と比較して長所(メリット)と短所(デメリット)をまとめました。
といったように、MX ERGOが気になっている方への参考になれば幸いです。
MX ERGOとM570tのスペック
まず初めにMX ERGOとM570tのそれぞれのスペックをまとめておきます。
製品画像 | MX ERGO | M570t |
---|---|---|
接続方法 | ワイヤレス | ワイヤレス |
電源 | 充電式(micro USB Type-B) | 電池式(単3乾電池1本) |
ボタン数 | 8個 | 5個 |
角度調節機能 | あり | なし |
ではそれぞれの項目を詳しく見ていきましょう。
接続方法はどちらもワイヤレス
パソコンとの接続はどちらもワイヤレス接続です。USB端子(USB Type-A)の付いたレシーバーがそれぞれのマウスに付属していますので、それをパソコンに装着して使用します。
ワイヤレス接続のおかげで、どちらのマウスも取り回しの良さはコード式のマウスに比べて非常に優れています。おまけにトラックボールを指で動かすだけでマウスカーソルを操作できるので、例えば『寝っ転がりながらマウスを胸や腹の上に置いて操作する』なんてことも出来ちゃいます。リラックスした状態でパソコンを操作出来るのは非常に良いところですね。
電源はMX ERGOが充電式、M570tが電池式
電源についてはMX ERGOが充電式、M570tが電池式になっています。
ここは人によって評価が分かれるかも知れませんね。
充電式のMX ERGOであれば電池を買う必要がありませんのでその分コストが安くなりますが、充電の際はUSBケーブルを繋がなければなりませんので充電中はワイヤレスの利点が失われてしまいます(もちろん充電中も使用は出来ますのでその間パソコンが使えない!といったことにはなりません)。一方、電池式のM570tは電池を用意する必要はあるものの、電池が切れても入れ替えれば引き続き今まで通りに使用出来るのでMX ERGOのようにワイヤレス状態ではなくなる、といったことは起きません。
このように充電式と電池式にはどちらにもメリット、デメリットがあります。
ボタン数はMX ERGOの方が多い
ボタン数はMX ERGOが8個、M570tが5個になっています(左右クリック含む)。MX ERGOとM570tのボタン配置はほぼ同じですが、MX ERGOはホイールの左右にもそれぞれボタンが配置されており、ホイールを左右に倒すことによってボタンを押せるようになっています。
ボタン数が多ければ多いほどショートカットキー等をたくさん登録できますので、この点においてはMX ERGOの方が優れていますね。まぁあまりボタンが多すぎると「間違えて違うボタン押しちゃった!」なんてことが起きることもありますが、MX ERGOはボタン配置もシンプルなのでそういった誤操作は起きにくくなっていると思います(少なくとも、私の場合はほとんど起きたことはありません)。
MX ERGOには2段階の角度調節機能あり
MX ERGOはマウス本体の角度が通常の状態と、20°傾けた状態の2段階に調整できるようになっています。20°傾けることにより腕への負担を軽減する設計になっているようです。もちろん人によっては「傾けるとなんだかしっくりこない……」という場合もありますので、その際は従来のマウスと同じ角度になっている通常の状態で使用することも出来ます。これはM570tにはない利点ですね。
MX ERGOのメリット
それでは3年間MX ERGOを使ってきて私が感じたメリットを述べていきます。
1番はやっぱり本体角度を変えられるところ
1番メリットに感じているのはやっぱり本体を20°傾けられるところですね。
M570tから乗り換える際に「ちょっと違和感がありそうだなぁ」と思っていたのですが、いざ使ってみると違和感は全くなく、むしろ腕が快適に感じるくらいでした。おかげで普段のマウス操作がちょっと楽になりましたね。今となってはむしろこの角度の方が腕になじみ、普通のマウスを使うときに違和感があるくらいです。
パソコンの1日の使用時間が短い人にはあまり大きなメリットには感じないかもしれませんが、私のように毎日何時間もパソコンを使う場合はこの「普段の作業がちょっと楽になる」というメリットの大きさはなかなかのものです。例えて言うなら「毎日履いている靴が軽くなる」といった感じでしょうか。毎日行う作業なら、少しでも楽な方が良いですからね。
ボタン数が増えたのもGOOD
あとボタン数が多いのもパソコンで作業するうえでは非常に便利ですね。M570tとの差は僅か2個ですが、2個分のショートカットキー操作をキーボードではなくマウスのボタンで済ませられるようになったのは意外と大きなメリットです。
特に上でも述べたホイールの左右にあるボタンがなかなか使いやすく重宝しています。M570tにこのボタンがないのが残念ですね……。
MX ERGOのデメリット
続いてデメリット。これだけ高性能なマウスでもやっぱりデメリットはあります。
トラックボールが少し外しにくい
そのデメリットとはズバリ、メンテナンス性です。
トラックボールマウスは使い続けているとトラックボールの滑りがだんだん悪くなってきます。これはトラックボールを支えている支点にホコリやゴミが溜まってくるためです。
画像 MX ERGOやM570tは3つの支点(画像の白い点みたいなのです)でトラックボールを支えています。トラックボールを転がしているうちにボールの表面についているホコリやゴミがこの支点に集まり、滑りが悪くなるというわけですね。
なので定期的にトラックボールを外してこのホコリやゴミを取り除く、というメンテナンスを行う必要があるのですが、MX ERGOはトラックボールが少々外しにくくなっています。
MX ERGOとM570tはマウス本体の裏側にトラックボールを外すための穴が開いており、ここからトラックボールを押し出すことによってトラックボールを外せるのですが、MX ERGOはこの穴が若干小さめで私の人差し指がギリギリ入らないんですよね……。
まあ指が入らなくてもこの穴を通るくらいの何か棒状なもの(私は鉛筆を使っています)があればトラックボールを押し出せるのでそこまで大きな問題というわけではないのですが、M570tではギリギリ指が入るので道具無しにトラックボールを外せることを考えると、やはり改善して欲しいところではありますね。
まとめ MX ERGOは買って損はないマウス
以上、私が感じたMX ERGOのメリットをまとめました。
デメリットはあるものの、今まで私が使ってきた中では一番使いやすいマウスです。この20°の傾きの心地良さは素晴らしい……。
- 長時間パソコンを操作する
- ショートカットキーをたくさん登録したい
- 無線式が好みだけど電池の交換がめんどくさい……
という方には特におすすめです。
もし、
という場合でも、MX ERGOなら従来のマウスの角度でも使用できますのでその点も安心ですね。
M570tも決して悪くない
今回MX ERGOと比較したM570tも決して良くないマウスというわけではありません。
MX ERGOの方がグレードは上なので機能面ではあちらの方が優れている部分は多いですが、その分どうしても価格が高くなってしまいます。そしてMX ERGOにはない機能として、M570tはレシーバーをマウス本体に収納することが可能です。小さいレシーバーなので持ち歩く際に邪魔になるということは少ないですが、「何かの拍子にレシーバーがパソコンから外れて無くしてしまう」といったことが防げますね。
なのでM570tは
- MX ERGOはちょっと高い……
- トラックボールマウスを使うのは初めて
- 出張先等、外でマウスを使うことが多い
という方におすすめです。
また、現在はM570tの新モデルとしてM575が発売されています。基本的な機能はM570tと同等なようですが、マウス本体の角度が最初から傾いた設計になっているみたいです(MX ERGOと違い角度の切り替えは出来ない模様)。M570tからさらに完成度が上がりましたね!
おまけ トラックボールは交換可能
因みにトラックボールは単体でも販売されているものがあり、サイズが合えばMX ERGOやM570tのトラックボールと交換することが可能です(直径34mm)。
もしトラックボールマウスを使ってみて「ボールの滑りが良くない」「むしろ滑りすぎる」等自分に合わなかった場合は市販のトラックボールを買ってみて交換するのもありですね。
こういうカスタマイズが出来るのもトラックボールマウスの良いところです。